アルバニアの概要
アルバニアはヨーロッパの東部に位置している国で、首都はティラナです。
日本語での正式名称は「アルバニア共和国」となります。
漢字では「阿爾巴尼亜」「亜爾抜儞」「愛爾巴尼亜」「阿百尼」などで表記され、漢字1文字で「婆」や「阿」と表記されます。
主要な産業として、小麦やトウモロコシ、ジャガイモなどの農業が盛んとなっています。
イスラム教徒が半数を占めていますが、無宗教という人々も増えてきているようです。
補足とまとめ
- まとめ→東ヨーロッパに位置しており、首都はティラナ。漢字では「婆」や「阿」で表記される。小麦など農業が盛んで、イスラム教徒が半数を占める。
アルバニアの面積・人口・人口密度
面積:約28,700k㎡
人口:約2,900,000人 人口密度:約101人/k㎡
補足とまとめ
- 面積参照→アルバニア基礎データ|外務省より。
- 人口参照→世界人口白書2020年版より。
アルバニアの由来
アルバニアの名称の由来は、ラテン語の「アルバス(albus)」から転じたものになります。
これは「白」といった意味があり、アルバニアの土地に石灰岩が多かったことからとされます。
このことから「白い土地」と言われており、アルバニアの由来となっています。
また、現地では通称「シュチパリア」と呼ばれており、これは「鷲の国」といった意味合いがあります。
これは、鷲の子孫であるという伝説からきているそうです。
補足とまとめ
- 読み→「石灰岩(せっかいがん)」「鷲(わし)」
- 国名の由来→上記の由来がよく見られたが、違う説もあり諸説あると思われる。
- まとめ→国名の由来は「白い土地」を意味する「アルバス(albus)」から転じたものとなる説がよくみられる。
アルバニアの地域区分
アルバニアの広く知られている地域区分として、12の州に分けられています。
それぞれの州に「○○県」といった具合で、更に細かく区分されています。
ヴロラ州
アルバニア南部に位置し、「ヴロラ県」「サランダ県」「デルヴィナ県」があります。
エルバサン州
アルバニア中央部に位置し、「エルバサン県」「グラムシ県」「ペチン県」「リブラジュド県」があります。
クケス州
アルバニア北東部に位置し、「クケス県」「トロポヤ県」「ハス県」があります。
コルチャ州
アルバニア南東部に位置し、「コルチャ県」「コロニャ県」「デヴォル県」「ポグラデツ県」があります。
シュコドラ州
アルバニア北西部に位置し、「シュコドラ県」「プカ県」「マレスィア・エ・マヅェ県」があります。
ジロカストラ州
アルバニア南部に位置し、「ジロカストラ県」「テペレナ県」「ペルメト県」があります。
ディブラ州
アルバニア中央よりの北東部に位置し、「ディブラ県」「ブルチザ県」「マト県」があります。
ティラナ州
アルバニア中央部に位置し、「カヴァヤ県」「ティラナ県」があります。
ドゥラス州
アルバニア中央部に位置し、「クルヤ県」「ドゥラス県」があります。
フィエル州
アルバニア南東部に位置し、「フィエル県」「マラカスタル県」「ルシュニャ県」があります。
ベラト州
アルバニア南よりの中央部に位置し、「クチョヴァ県」「スクラパル県」「ベラト県」があります。
レジャ州
アルバニア北東部に位置し、「クルビン県」「ミルディタ県」「レジャ県」があります。
補足とまとめ
- シュコドラ県→上の地図では「シュコダル」表記。
- ジロカストラ県→上の地図のように「ギロカストラ」と表記されることもある。
- ミルディタ県→上の地図では「ミルディア」表記。
- まとめ→アルバニアの地域区分は12の州に分けられる。首都のティラナはティラナ州に位置している。
アルバニアの気候
アルバニアの気候は大きく分けて、海岸付近の地中海性気候と、内陸部の大陸性気候がみられます。
その為、比較的過ごしやすい地域と厳しい地域に分かれています。
3月~5月
だんだんと暖かくなり、過ごしやすい気候となっています。
しかし、雨の降る日は少なくはないので注意が必要です。
6月~8月
ティラナなどの地域では7月頃に降水量も減ってきますが、最高気温は30度を越えることもあります。
また、湿度も低いため乾燥した日も多くなってきます。
9月~11月
全体的に見ると寒さはまだ目立ちませんが、10月頃には降水量が増えてきます。
地域によっては10月か11月に年間の最高降水量を記録することもあります。
12月~2月
地中海性気候の地域はそこまで厳しい寒さになることはなく、積雪も少ないです。
一方で大陸性気候の地域は気温差が大きいため、寒さが厳しい日も大雪となる日もでてきます。
補足とまとめ
- 地中海性気候→比較的温暖な気候で、乾燥した夏が特徴。
- 大陸性気候→気温差が大きく、積雪も多くなることが特徴。
- まとめ→アルバニアの気候は地中海性気候と大陸性気候に大別される。3月~5月は過ごしやすい気候、6月~8月は最高気温は30度を越える地域も。9月~11月は年間を通して降水量が多くなりやすく、12月~2月は大陸性気候では寒暖差があり大雪となる日もある。
現在のアルバニア大統領
現在のアルバニア大統領には、イリル・メタさんが就任しています。
1969年(昭和44年)3月24日生まれ、アルバニアのスクラパル出身です。
2017年(平成29年)7月24日から大統領を務めており、今回初当選となります。
1999年(平成11年)から2002年(平成14年)には、首相を務めていたこともあります。
大学では経済や政治を学んでおり、大のサッカー好きであることが知られています。
補足とまとめ
- 大統領名→「イリール・メタ」と表記されることもある。
- まとめ→2017年から、イリル・メタさんが就任している。
アルバニアの国章・国旗
アルバニアの国章
2002年(平成14年)に、現在の国章が制定されました。
国章のデザインは、国旗からとってきたものとされます。
大きく描かれているのは鷲であり、「双頭の鷲」という名称がついています。
鷲は国名の由来であったり、国鳥などアルバニアを象徴するものとなります。
鷲の上には、スカンデルベクの兜が描かれています。
アルバニアの国旗
1992年(平成4年)4月7日に、現在の国旗が制定されました。
このデザインはスカンデルベクの紋章がモチーフとされています。
赤地に双頭の鷲が描かれ、これらはデザインの変更を行っていたときもずっと使われてきました。
これはアルバニアの象徴であるとともに、アルバニア人は鷲の子孫であるという伝説がある為と思われます。
双頭の鷲にはアジアとヨーロッパの中間にアルバニアがあることから、どちらも警戒していることを表しているとされています。
補足とまとめ
- 読み→「鷲(わし)」
- スカンデルベク→昔一時的に独立を果たした際に活躍した英雄的人物。
- まとめ→2002年に国章が、1992年に国旗が制定。国章は国旗のデザインにスカンデルベクの兜が描かれている。国旗は赤地に双頭の鷲が描かれたデザインとなる。
アルバニアのシンボルになっている鳥・樹・花
アルバニアの国鳥「イヌワシ」
時期は不明ですが、アルバニアの国鳥にイヌワシが選ばれています。
鷲はアルバニアの国旗にも描かれ、伝承もある象徴とされる鳥です。
アルバニアの周辺だけではなく、世界各地の広い範囲に分布しています。
アルバニアの国樹「ヨーロッパナラ」
時期は不明ですが、アルバニアの国樹にヨーロッパナラが選ばれています。
主としてヨーロッパに分布している樹で大きな高さを持っています。
寿命が長く、樹齢1000年以上のヨーロッパナラも存在しています。
アルバニアの国花「赤と黒のケシ」
時期は不明ですが、アルバニアの国花に赤と黒のケシが選ばれています。
赤と黒の色が指定されていますが、これは国旗の色に準ずるものとされます。
色を指定する国花の中でも珍しい例となっています。
補足とまとめ
- まとめ→時期は不明だが、国鳥「イヌワシ」国樹「ヨーロッパナラ」国花「赤と黒のケシ」が選ばれている。
アルバニアの国歌
旗への賛歌
2002年(平成14年)に、国歌「旗への賛歌」が制定されました。
作詞は詩人であるアスドレニさんによって書かれました。
作曲は作曲家のチプリアン・ポルンベスクさんによって手掛けられたものになります。
1912年(明治45年)に、制定はされていなかったものの、国歌として広く認知されるようになりました。
歌詞には団結や誓いなどの言葉があり、裏切り者といった言葉も出てきます。
補足とまとめ
- 国歌名→「旗の歌」など日本語訳したタイトルは複数存在。
- まとめ→2002年に国歌「旗への賛歌」が制定。1912年から国歌として認知されてきた歌。
アルバニアの世界遺産
ベラトとジロカストラの歴史地区
2005年(平成17年)に、世界文化遺産として登録されました。
名称の通り、ベラト県とジロカストラ県に位置する遺産群となります。
当初はジロカストラのみの登録でしたが、2008年(平成20年)にベラトも登録されました。
ベラトとジロカストラは歴史的価値があるとされ博物館都市として指定されていました。
この地域にはオスマン帝国時代の町並みが保存されているとされます。
ブトリント
1992年(平成4年)に、世界文化遺産として登録されました。
アルバニアのサランダ県に位置する遺跡群となっています。
ブトリントはギリシャとの貿易でも主要となった場所とされており、それによって発展してきたとされています。
現在では劇場跡や住居跡、大聖堂など当時の文化などを知る手がかりとしての遺跡が残されています。
博物館も存在し、観光場所として知られています。
カルパティア山脈とヨーロッパ各地の古代及び原生ブナ林
2007年(平成19年)に、世界自然遺産として登録されました。
アルバニアを含むヨーロッパの12の国にまたがって登録されている、ヨーロッパブナの森林となっています。
当初はスロバキアとウクライナの共同の世界遺産として登録されました。
そして2011年(平成23年)にはドイツのブナ林が追加されることになります。
その後2017年(平成29年)にアルバニアを始めとする、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、イタリア、ルーマニア、スロベニア、スペインが登録といった経緯があります。
オフリド地域の自然・文化遺産
1979年(昭和54年)に、複合遺産として登録されました。
元々は北マケドニアの世界遺産でしたが、2019年にアルバニアも合同で登録されました。
登録された当初は自然遺産として登録され、翌年に文化遺産としての価値が認められ複合遺産となりました。
この世界遺産の有名な場所として一説には世界最古の湖とされるオフリド湖があります。
その他、キリスト教における修道院や教会などが残される歴史的な価値がある場所ともなります。
補足とまとめ
- まとめ→アルバニアの世界遺産は文化遺産が2件、自然遺産が1件、複合遺産が1件の計4件が登録されている。
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